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「看護師の平均年収」を調べてみて、こんな経験はありませんか。
あるサイトには495万円と書いてある。別のサイトには519万円。さらに別のところでは524万円。どれも「厚生労働省の調査によると」と書いてあるのに、金額が違う。
どれを信じればいいのか分からなくなって、そっとタブを閉じた。そんな方も多いと思います。
この記事では、まずなぜ数字がバラつくのかを説明します。そのうえで、平均より大切な「自分がいまどの位置にいるのか」を確かめる方法までお伝えしますね。
なぜ「看護師の平均年収」は記事によって違うのか
結論から言うと、出典は同じでも、計算に含める範囲が違うからです。
多くの記事が使っているのは、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」という同じ調査です。それなのに金額が変わるのは、次のような違いがあるためです。
1. 賞与を含めるかどうか
この調査には「きまって支給する現金給与額」(毎月の給与)と「年間賞与その他特別給与額」(ボーナス)が別々に載っています。
年収を出すときは、ふつう毎月の給与 × 12 + 年間賞与で計算します。ただし賞与を含めずに月給だけで語っている記事もあり、その場合は当然、金額が低く出ます。
2. 男女を分けるかどうか
看護師は女性が多い職種ですが、調査では男女それぞれの数字も出ています。男女計で見るか、女性だけで見るかで平均は変わります。
「女性看護師の平均」と「看護師全体の平均」を、同じものとして扱っている記事もあります。
3. 対象にする企業規模が違う
大きな病院と小さなクリニックでは、給与水準に差があります。調査は企業規模別のデータも持っているため、どの範囲を集計するかで結果が動きます。
4. 調査年が違う
「2026年最新」と書いてあっても、根拠になっているのは前年以前の調査であることがほとんどです。公表までに時間がかかるためで、これは不正確というより仕組み上そうなります。
数字の幅は、そのまま受け取っていい
ここまで読んで、「じゃあどの数字が正しいの?」と思われたかもしれません。
正直にお伝えすると、どれか1つが正解というわけではありません。数え方が違うだけで、どれも嘘ではないからです。
ですので、平均年収はピンポイントの金額ではなく、おおよそ500万円前後という幅として捉えるのが実態に近いと思います。
そして、ここが大事なのですが——この数字は、あなたの年収を判断する基準にはなりません。
平均には、あなたと違う人がたくさん含まれている
平均というのは、全員をならした数字です。そこには次のような人が全部まとめて入っています。
- 夜勤を月8回している人と、日勤だけの人
- 大学病院の人と、クリニックの人
- 役職がある人と、ない人
- 都市部の人と、地方の人
- 新人と、勤続20年の人
これだけ違う人たちを1つの数字にまとめているので、自分と条件が近い人がいくらもらっているのかは、平均からは分かりません。
「平均より低かった」と落ち込む必要も、「平均より高かった」と安心する必要も、実はあまりないんです。
平均より大切な「自分の位置」を確かめる2つの方法
では、何を見ればいいのか。おすすめは次の2つです。
方法1:自分の条件に近い求人の金額を見る
いちばん実態に近いのは、いま募集されている求人の金額です。
お住まいの地域で、いまの勤務形態(夜勤の回数、施設のタイプ、経験年数)に近い求人を並べてみてください。そこに書かれている金額が、あなたにとっての現実的な相場になります。
転職するつもりがなくても、相場を知っておくこと自体に意味があります。自分の給与が高いのか低いのか、判断する材料が持てるからです。
方法2:給与明細の内訳を最後まで読む
意外とやっていない方が多いのですが、明細をきちんと見ると発見があります。
- 基本給はいくらか
- 夜勤手当は1回あたりいくらか
- 住宅手当や資格手当は付いているか
- 何がいくら引かれているか
年収の総額だけを見ていると気づきませんが、同じ年収でも中身がまったく違うことがあります。
たとえば夜勤手当に大きく依存している年収は、体力的に夜勤を減らした瞬間に大きく下がります。基本給が高い年収は、働き方を変えても崩れにくい。この違いは、長く働くうえでかなり効いてきます。
相場より低いと感じたときに、考えたいこと
調べてみて「思ったより低いかもしれない」と感じたとしても、すぐに動く必要はありません。
ただ、その状態が何年続くのかは、一度考えてみる価値があります。
年収の差は、1年だけならそこまで大きく感じないかもしれません。でも5年、10年と積み重なると、まとまった金額になります。同じ資格を持ち、同じように夜勤をして、同じだけ責任を負っているのに差がついてしまうのは、少しもったいないと思うんです。
収入を上げる方法は、転職だけではありません。いまの職場のまま変えられる部分もあります。具体的な方法は別の記事でまとめていますので、あわせて読んでみてくださいね。
まとめ
- 看護師の平均年収が記事によって違うのは、賞与を含めるか・男女を分けるか・企業規模・調査年の違いによるもの
- どれか1つが正解ではなく、おおよそ500万円前後という幅で捉えるのが実態に近い
- 平均には条件の違う人が全部含まれているので、自分の判断基準にはならない
- 見るべきは自分の条件に近い求人の金額と給与明細の内訳
- 同じ年収でも、夜勤手当に依存した年収は働き方を変えると崩れる
数字に振り回されるより、自分の足元を知ることのほうが、ずっと役に立ちます。無理のない範囲で、少しずつ確かめていきましょう。


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