夜勤専従という働き方|医師が説明する、体にとって楽な面と危ない面

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夜勤専従と聞くと、多くの方がこう思います。

「体を壊しそう」

その感覚は正しい部分があります。ただ、意外に思われるかもしれませんが、交代制より体にとって楽な面もあります。

この記事では、そこを仕組みから説明します。そのうえで、向く人と向かない人をはっきり分けます。

先にお伝えします。これは一般的な情報であり、あなたに勧めるものではありません。 体調に不安があるなら、始める前に医師に相談してください。

まず、交代制のほうが体には過酷です

ここが、いちばん知られていない点です。

体には約24時間の周期で動く時計があり、朝の光で毎日リセットされています。この時計は、急な変更にとても弱いです。

日勤、準夜、深夜を回る三交代では、数日おきに時計を作り直すことを求められます。 時差のある国へ何度も往復しているのと似た状態です。

それに対して夜勤専従は、夜型に固定できます。 一度その形に合えば、毎回作り直す必要がありません。

「ずれ続ける」より「ずれたまま固定する」ほうが、体への負担が小さいことがあります。

体内時計の仕組みは夜勤は体に何をしているのかで詳しく扱っています。

ただし、固定できるとは限りません

ここが落とし穴です。

夜型に固定できるのは、休みの日も同じリズムで過ごせる場合だけです。

ところが現実には、休日に家族と過ごす、子どもの行事に出る、昼間に用事を済ませる。週に何度も昼型へ戻されます。

そうなると、結局は「ずれ続ける」状態に戻ります。 夜勤専従の利点が消えて、負担だけが残る形です。

1人暮らしか、家族が同じリズムで動けるか。 ここが、向き不向きを分ける最大の条件です。

収入は、確かに上がります

夜勤専従が選ばれる最大の理由がここです。

夜勤手当が毎回付くので、出勤日数が少ないのに、日勤中心より収入が高くなることがあります。

ただし、確認すべき点があります。

  • 基本給の設定(夜勤手当を除いた金額はいくらか)
  • 賞与の算定基準(基本給だけなら、賞与は増えません)
  • 退職金の計算方法
  • 社会保険の加入条件を満たしているか

2番目に注意してください。 月の手取りは高いのに、賞与と退職金を含めた生涯の金額では逆転することがあります。

年収の分解の仕方は看護師の平均年収は本当はいくら?で扱っています。

回数には上限の考え方があります

夜勤専従は、無制限に入れる働き方ではありません。

労働時間の上限、休憩、勤務間のインターバル。これらの決まりがあるため、月に入れる回数はおのずと限られます。

具体的な回数は、勤務の形(二交代か三交代か、1回が何時間か)と、その職場の労使協定によって変わります。数字は職場ごとに違うので、就業規則と雇用契約書で確認してください。

「もっと入りたい」と言われても、上限を超える形にはできません。 それを求められる職場なら、そこが問題です。

向いている人

  • 1人暮らし、または家族が同じリズムで動ける
  • 短期間で集中して稼ぎたい理由がある
  • 日中に予定を入れたい(学校、家庭の事情、副業)
  • 出勤日数が少ないほうが精神的に楽
  • 人間関係の密度が低いほうが合う

4番目は、意外と大きな理由になります。 職場に行く日数そのものが減るので、通勤と人間関係の負担が減ります。

向いていない人

  • 休日に昼型へ戻る生活が避けられない
  • すでに睡眠に問題を抱えている
  • 持病があり、服薬の時間が決まっている
  • 急変対応に不安がある(夜間は人手が少なくなります)
  • 孤立しやすいと感じている

2番目に当てはまる方は、始める前に必ず相談してください。 すでに眠れていない状態で夜勤専従に入ると、悪化します。

4番目も現実的な問題です。夜間は判断を任される場面が増えます。経験が浅いうちに選ぶ働き方ではありません。

始めるなら、守ってほしいこと

負担を減らす方法は、はっきりしています。

  1. 帰宅時にサングラスをかける(朝日を浴びると、体は「朝だ」と判断します)
  2. 寝室を徹底的に暗くする(遮光カーテン、アイマスク)
  3. 起きる時刻を、休日も揃える
  4. 勤務の後半にカフェインを取らない
  5. 定期健診を必ず受け、数値の変化を追う

3番目がいちばん難しく、いちばん効きます。 ここが崩れると、夜勤専従の利点が消えます。

何年続けるかを、先に決めてください

これが、この記事でいちばん伝えたいことです。

夜勤専従は、期限を決めて使う働き方です。

短期間で資金を作る、学費を貯める、家庭の事情に合わせる。目的と期限があるなら、合理的な選択です。

逆に、なんとなく続けていると、年齢とともに確実にきつくなります。そして、抜けるタイミングを逃します。

「あと何年やるか」を先に決めて、その先の働き方も並行して考えておいてください。

年代ごとの判断基準は看護師のキャリアを年代別に考えるにまとめています。

抜けるときの選択肢

夜勤専従から離れる先は、実際にあります。

外来、クリニック、健診センター、企業の産業看護師、デイサービス。収入は下がりますが、体への負担は大きく変わります。

職場ごとの違いと収入の現実は病院以外で働く看護師の職場9つにまとめています。

まとめ

夜勤専従は、「夜型に固定できる」という点で、交代制より体に楽な面があります。 時計を毎回作り直さずに済むからです。

ただし、休日に昼型へ戻る生活だと、その利点は消えます。 負担だけが残ります。

収入は上がりますが、賞与と退職金の算定基準を確認してください。月の手取りと生涯の金額は、別の話です。

そして、期限を決めて使ってください。 なんとなく続けると、抜けるタイミングを逃します。

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