新人看護師の技術チェックリスト|「できない」を言葉にするための51項目

新人看護師の技術チェックリスト 未分類

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1年目でいちばんつらいのは、技術ができないことではありません。

何ができていないのかを、自分で説明できないことです。

「全部できない気がする」という状態では、教えてもらうこともできません。先輩も、どこから教えればいいのか分かりません。

このリストは、できるようになるべき項目を並べたものではありません。「ここが分かりません」と言葉にするための道具です。

先にお伝えします。1年目の途中で、全部に丸が付く人はいません。 空欄があるのが普通の状態です。

使い方

各項目を、次の3つで分けてください。

  1. 1人でできる
  2. 見てもらえればできる
  3. まだ自信がない

大事なのは3番目です。3番目に印を付けた項目を、そのまま先輩に見せてください。

「これとこれが不安なので、次に機会があるとき見ていただけますか」

この一言が言えるだけで、1年目の景色が変わります。漠然と「できません」と言うより、はるかに教えてもらいやすくなります。

1. 観察とアセスメント

  • 血圧を、自動測定に頼らず用手で測れる
  • 脈を触れて、リズムの乱れに気づける
  • 呼吸数を正確に数えている(推測で書いていない)
  • SpO2の値が低いとき、まず何を確認するか言える
  • 意識レベルを、決められた指標で表現できる
  • 瞳孔を観察して、記録できる
  • 呼吸音を聴いて、左右差に気づける
  • 腹部の状態を観察して、記録できる
  • 浮腫の有無と程度を判断できる
  • 「いつもと違う」と感じたときに、誰に何と伝えるか決まっている

最後の項目が、この章でいちばん大事です。 異常に気づく力より、気づいたあとに動ける準備のほうが、1年目には効きます。

2. 与薬

  • 与薬の確認手順を、自分の言葉で説明できる
  • 指示簿を読んで、不明点を特定できる
  • 疑問に思ったとき、実施前に確認している
  • 薬の作用と主な副作用を、実施前に調べている
  • 内服の介助で、確実に飲めたことを確認している
  • 持参薬の扱いのルールを知っている
  • インスリンの単位を、指差しと声出しで確認している
  • 麻薬の取り扱いと記録の手順を知っている

3番目に印が付くなら、それは技術の問題ではありません。 「実施前に聞ける空気があるか」という、職場の側の問題です。

3. 注射・採血・ルート

  • 採血の手順を、準備から片づけまで通してできる
  • 駆血帯を巻く位置と時間を守れている
  • スピッツの順番と転倒混和を理解している
  • 皮下注射と筋肉内注射の部位を正しく選べる
  • 静脈内注射の手順と、注意すべき薬剤を知っている
  • 末梢ルートの確保ができる
  • ルートの刺入部を観察して、異常に気づける
  • 輸液ポンプ、シリンジポンプを操作できる
  • 点滴の滴下数を計算できる
  • 針刺し事故が起きたときの手順を知っている

最後の項目を確認してください。 起きてから調べるのでは遅く、対応は時間で効果が変わります。

詳しくは針刺し事故が起きたら|最初の30分にすべきことにまとめています。夜間と休日の連絡先も、先に確認しておいてください。

4. 呼吸・循環の管理

  • 酸素流量計を扱える
  • 投与器具ごとの特徴を説明できる
  • 吸引の手順と、注意点を守れる
  • 吸引の時間と圧の目安を知っている
  • 心電図モニターを装着できる
  • モニターのアラームが鳴ったとき、何から確認するか言える
  • 急変時に、応援を呼ぶ手順を知っている

最後の項目は、技術より先に確認してください。 どのボタンを押すのか、誰を呼ぶのか、何を持ってくるのか。1年目に求められるのは、対応そのものより、正しく人を呼ぶことです。

5. 日常生活の援助

  • 体位変換を、自分の腰を守る姿勢でできる
  • 移乗の介助を、2人で安全に行える
  • 清拭、洗髪、陰部洗浄ができる
  • おむつ交換で、皮膚の状態を観察している
  • 食事の介助で、誤嚥の兆候に気づける
  • 口腔ケアができる
  • 褥瘡のリスクを評価できる

1番目は、いまのうちに正しい形を身につけてください。 腰は、痛めてからでは戻りにくい部分です。

負担のかかり方は看護師の腰痛で仕組みから説明しています。ベッドの高さを毎回上げるだけで、腰にかかる力が変わります。

6. 感染対策

  • 手指衛生のタイミングを、5つ言える
  • 個人防護具の着脱を、正しい順序でできる
  • 感染経路別の対策を区別できる
  • 使用済み器材の取り扱いを知っている

7. 記録と報告

  • 電子カルテに、必要な項目を記録できる
  • 主観と客観を分けて書けている
  • 報告を、結論から先に伝えられる
  • インシデントレポートの書き方を知っている
  • 報告すべきかどうか迷ったとき、報告する側を選べている

最後の項目が、1年目にとって最も重要かもしれません。

迷ったら報告する。それで怒られる職場なら、報告しなかったときのほうが、はるかに大きな問題になります。

印が多くても、落ち込まないでください

ここまで51項目を挙げました。1年目の半ばで、3番目の印が10個以上あっても普通です。

むしろ、全部に丸が付くと思っている人のほうが心配です。 分かっていないことに気づけていない状態だからです。

不安を数えられるのは、見えているということです。それは伸びる条件が揃っている状態です。

ただし、これは別の問題です

リストを見せても教えてもらえない。「そんなことも分からないの」で終わる。それは、あなたの側の問題ではありません。

教育の仕組みがない職場で1年目を過ごすのは、単純に不利です。あなたの伸びが遅いのではなく、伸びる条件が揃っていません。

そして、次のような状態が続いているなら、技術の話より先に確認することがあります。

  • 眠れない、食べられない
  • 出勤前に動悸がする、涙が出る
  • 休みの日も気持ちが晴れない

これは根性の問題ではありません。 看護師のメンタル不調|見逃されやすいサインを読んでください。

職場を変えることも含めた考え方は新人看護師が「辞めたい」と思ったときにまとめています。

呼ぶかどうかで迷う場面については、別の記事に書きました。

→ 急変で医師を呼ぶか迷ったとき

まとめ

このリストは、点数を付けるためのものではありません。「ここが分かりません」と言葉にするための道具です。

1人でできる、見てもらえればできる、まだ自信がない。3番目に印を付けて、そのまま先輩に見せてください。

漠然と「できません」と言うより、はるかに教えてもらいやすくなります。

そして、空欄があるのは普通です。できないことを数えられる人は、伸びます。

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